僕が歩く3つの理由と人生の後半 ~JMTスルーハイクを終えて~

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目次
1.僕が歩く3つの理由
1-1.自分の気持ちや考えを整理するため
1-2.自然から生きる上で大切なことを学ぶため
1-3.理想を現実にするため
2.人生の後半

写真は全てJMTの写真

今、僕がこれを書いているのは、2024年7月5日のロサンゼルスのサンタモニカにあるカフェ。JMTスルーハイクを終え、ロサンゼルスで夕方までフリータイムを得て、アウトプットの時間を作っている。

アウトプットしたいことはいくつかあるが、まずはここで記載している一番大切な歩く理由でもあるNo.1の「自分の気持ちや考えを整理すること」にする。

1.僕が歩く3つの理由
1-1.自分の気持ちや考えを整理するため

人は1人では生きていけないんだけど、特にデジタルが発達してからノイズが多すぎる。そのノイズに触れていると様々なことに振り回されて、大切なこと、大事にしたいこと、自分がどうしたいのか、どう行動したいのかブレる。

もっとシンプルに好きな自然の中で生きたいと、ノイズが少ない秘境暮らしを選んでも、スマホのSNSなどからでも、小さいコミュニティーの中でもノイズに曝される。

それは仕方ないと言えば仕方ない。

別に時代に逆らおうとも思わないし、より技術の進化に応じて世の中は良くなっているとも思うから。だからノイズとの向き合い方は自分なりに持っていた方が良いだろう。

僕は幼少期からの様々な境遇の結果、「自分がどう在りたいか」ということに向き合う時間が長かったので、自分の軸が客観的にみても、相対的に見ても、しっかりしていると自分で思う。

それでも、ノイズに曝されブレそうになることもある。日々様々なことに追われ、最近はやりたいことをやる、だけでなく、周りからから求められることをやる、ということも増えていて、何を背負って生きていくか、冷静に考えないと、本来自分の行きたい場所から遠ざかってしまう可能性がある。

遠ざかった道や一見すると間違った道を歩むことが悪いわけでなく、むしろ経験に繋がることもあるけれど、人生の時間は限られているので、できれば早めに目的地に到着したい。

Pnoto 山本拓郎

歩いている時間は、無になっている時間もあるし、負荷がかかっている時は何も考えられず、ただ耐えている時もある。辛い時間も多い(特に今回はマメが痛かった)。自分のリズムで調子の良い時もあって、ただ歩くことを楽しんでいる時もある。過去の自分を振り返ったり、突然過去の思い出や、ある人との出来事が蘇ってきたり。同じことを繰り返し考えている時もある。もちろん豊かな自然に感動している時も多い。

別にロングトイレルを歩かなくても、日常の散歩でも同じ時間はあるだろう。ただ、それが日常から離れれば離れるほど、電波のない、ウィルダネスな環境になればなるほど、内省の時間が充実することは確かだと思う。

だから僕は、ノイズとの向き合い方として、定期的にそういうウィルダネスな環境に自分を置きたくなるし、敢えてそうしている。

年々経験を積んできて、ウィルダネスな環境下のレベルが、時間的空間的にも増している。それは自分のウィルダネス環境下で生きる経験値も上がってきているのもあるし、自分自身もそのような環境下をもっともっと楽しみたいという気持ちもある。

人間の野生的な本能や五感を呼び覚ます経験はまさに生きている実感を得られるからだ。

そうやって僕は歩くことで、自問自答したり、自分と対話しながら、時には突然降ってくる感情や言葉で気持ちの整理や大切にしたいことなどを改めて確認している。

Photo 山本拓郎

1-2.自然から生きる上で大切なことを学ぶため

JMT(ジョンミューアトレイル)は、今までの経験の中で、一番ウィルダネス環境下に身を置いた。2日だけ街に降りて補給はしたものの、補給に行く時と帰りも20kmほど歩いているので結果的に18日連続で400km歩いたことになる。アメリカの国立公園の中のウィルダネスの雰囲気はInstagramのハイライトに沢山あげているので興味ある方は見てほしい。またそれぞれの投稿では別の観点でのアウトプットの投稿をしているのでそちらも興味あれば。

JMT序章 ハイライト
JMT第一章 Yosemite Happy IslesからMommoth Lakes ハイライト 投稿
JMT第二章 Mommoth LakesからBishop ハイライト 投稿
JMT第三章の① BishopからForester Pass ハイライト 投稿(第三章として)
JMT第三章の② Forester PassからMt Whitney ハイライト

ただし、今回は1人ではなく3人の仲間と共に歩いた。今まで海外のトレイルを歩く時は基本的に1人が多かったが、誰かと歩くことでも、内省の時間は減らなかった。そもそも18日間もあったし、Raichoの拓郎と雄斗のことはよく知っていたので、お互いを尊重しているのが会話せずにわかるので、それぞれが自分の時間を取りたければ、自然と距離を置いて歩いていた。肥後さんも思いを共にするよく知る人で、日々のマイペースな感じが、旅の中で癒しだった笑

Photo 山本拓郎

思えば、3人との出会いも必然なんだと思う。そして僕を入れて4人がJMTという時間を一緒に過ごしたのは運命なんだろう。出会ってなければ今この時に、JMTを歩くという道が開かれることはなかった。それぞれがこれまで自分と向き合って、それぞれの道を選び、進んできた結果、4人が2024年6月というタイミングでJMTを一緒に歩くことになった。

共通しているのは、自然をそれぞれの形で愛しているということ。自然を愛しているということは、まず自分を愛しているということでもあると思う。

4人で過ごした時間は、間違いなく一生心に残るだろう。特に、雪解けで流量が増した川の渡渉をトライした、スクラムを組んで、命を一つにしたあの時間。

橋が流されていてた箇所

お互いを支え合い、激流に耐えて、渡り切ろうとする姿勢は、大きな困難は誰かと手を共にすることで、乗り越えられるということを実体験した。互いを信頼し尊重し合っていると1人では発揮できない大きな力となる。

スクラムの再現

結果的に、激流すぎて僕らは15mくらいの川幅の残り5mを渡りきれず、渡渉を諦めて戻り、Alternate Routeで道なき山を登ることにはなったけれど、それでもあと一歩間違えれば、死、ということがよぎって、一緒にお互いを支え合った時間はかけがえのない経験であった。

自然は人生で大切なことをいつも教えてくれる。

一生の思い出を作れることは、みんなが望む人生を豊かに過ごしていることに直結する。
それは自分1人でも作れるし、誰かとも作れる。両方大切だ。

今回はみんなを頼れたし、助けももらって、本当に心強かっし楽しかった。

この場を借りて、改めて、拓郎、雄斗、肥後さんに感謝したい。一緒にJMTを歩いてくれて本当にありがとう。出会ってくれてありがとう。

1-3.理想を現実にするため

過去のブログでも触れているが、自分のやりたいことはこれまでに大体実現してきて、会社員勤め時代も含めて、それなりに世の中に貢献できた実感もあり、僕は自分の人生に満足していている。

いつも言うと、ほんとか?って言われるけど、別にいつ死んで構わないくらいなんだ。

そんな中、新たに自分の一つの夢であったJMTのスルーハイクを実現できた。
満足度レベルがまた上がってしまった。

JMTは実は僕が中学生の時に読んだ、In to the Wild(荒野へ)という本から、あれはアラスカが舞台だったが、ウィルダネスな環境という中の一つとして認知していて、会社員時代のワンゲルの後輩からも藤江さんはいつかJMTを歩いた方がいいですね、なんて言われてた。その頃はまだ実現する自分を想像してなかったけど、憧れはあった。

そんな中で、3年前にはJMTを歩いている自分を想像できていた。

いつかJMTを歩こうと思っていたが、その前に事業の繁忙期を考慮した休暇の時期などの制約もあって、その他のNZや南米、ネパールなど海外のトレイルを毎年歩いていた。

そういった経験や様々な人の出会い(拓郎、雄斗、肥後さんもそうだ)の機会などもあり、2023年4月に自分が松本と高山を結ぶトイレルを作る準備団体(一般社団法人信飛トレイル準備委員会)の代表になったことがJMTスルーハイクを現実にした。

ウィルダネスな環境下を歩くことで、自分の気持ちややりたいことなど、向かうべき先の解像度を上げて、行動していたら、道が開かれていき、出会いも生まれてきたのだ。

ただ、これは僕は卒サラした10年前には想像もしてなかった世界でもある。

きっかけは、乗鞍移住してRaichoをはじめた中で作った時間の中で、海外のトレイルを歩きはじめてからた。いつか乗鞍周辺にも、僕が大切たと思っている時間や大好きな時間を自然の好きな人たちや求めている人たちと共有できたらいいなと、トレイルを作りたいと思っていた。

まずは、目の前に広がる日本の中でも気軽に豊かな自然を楽しめる散歩道がある乗鞍高原のトレイルのブランディング活動をコロナ禍ではじめた。それがJoyful Walks Norikura。もともとあったトレイルで本当に気軽に楽しめる最高のトレイルだ。

自社の事業とは別に時間を作り出すことは大変だったが、コロナ禍の時間を活用し、少しずつ形になっている。まだまだやりたいことは沢山あるから、想いを共にする人たちと取り組んで行く。

そして、中部山岳国立公園管理事務所の前の所長の森川さんが2020年に就任した時の最初の地元との懇親会の時に、みちのく潮風トレイルにも携わっていた所長に、「この地域にロングトイレルを作りたいんですよね」と話していたことがきっかけで、松本-高山BigBridge構想の中のトレイルプロジェクトの主要な役割を担うことになった。そして、プロジェクト発足後1年後に社団法人を立ち上げて、その代表となり特に今は雄斗と肥後さんや、地域関係者と共に信飛トレイル実現に向けて動いている。

そして、信飛トレイル実現に向けて、その運営メンバーが本場のアメリカのJMTを歩かないとね、となって今に至るのだ。

長い時間はかかっているが、思いを持ち続けて行動していると、いつも道が開かれて理想が理想でなく、現実のものとなっていく。

難しいように思えて、実は単純なのだ。

人はなりたい自分にしかなれない。人が想像できることは実現できる。あとは時間がかかっても思いを持ち続けて小さな一歩を重ねるだけだ。小さくていい。意志を持って、少しずつやる。道のりが全然遠くても、少しでも進んだことを自分で認めてまた小さい一歩を踏み出す。


2.人生の後半

前のブログや、SNSの発信でも言及しているが、僕は今年人生の節目を迎えてる。数え年で42歳の大厄を迎え、新たなステージに立っている。

僕はほんと大した人間ではない。

僕の周りにいる僕が愛する人たちは僕よりも可能性に満ち溢れているといつも本心で感じる。本当に才能に満ち溢れていて、素敵だなって。

だからその可能性を可能性として秘めてるのではなく、それぞれが自分らしく表現し、夢を実現することで、さらに多くの人を笑顔にしたり、幸せにできると思う。その結果世の中はもっとより良い世界になると思う。だから僕はそんな人たちの背中をそっと押せたらいいなと。何よりそんな人たちがどんな人生を送るのか楽しみで仕方ない。

なかなかその背中を押す方法や程度が難しいんだけどね笑

ただ、そうするためのもまだまだ自分をもっと成長させなくてはならないとも感じる。新しいことにも挑戦して、僕自身も可能性を広げたい。

人生に満足はしているが、まだまだやると言ったことは道半ばだし、役割や使命も感じる。
だから現状に満足せず、より高みを目指して進む決意を新たにする。

Photo 山本拓郎

Raichoは益々良い会社になるし、乗鞍はもっと豊かな場所になる。そして、信飛トレイルはきっと日本を代表するトイレルになるだろう。僕にはそれが想像できる。だから実現できるだろう。

最後に、僕は卒サラ10年、起業10年の節目にこれまでの自分の理想を実現するための経験や考えを本としてまとめてみようと思っている。JMTを歩く中で目次はだいたいできた。これは言語化して整理するための自分のためでもあるが、背中を押して欲しいと思っている誰かの役に少しでも、1人にでも役に立てればという思いもある。

詳細はこれから書き始めるが、来年の4月までには形にできれば良いかなと思っています。
頑張ろうっと!

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Raichoや信飛トレイルでは、一緒に取り組む仲間も引き続き募集しています。
詳細は以下のページからお問い合わせください。


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