【山陰海岸ジオパークトレイル】日本列島が大陸だった頃の歴史を感じる旅

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Raichoスタッフのあつしです。2023年10月に、鳥取から京都の最北端まで続く「山陰海岸ジオパークトレイル」を4泊5日で180kmほど歩いてきました。そのときの記録を写真と共に振り返りたいと思います。また、このトレイルを歩きたい人の参考になれば幸いです。

なぜこのロングトレイルを選んだか

山に登り始めてから地理学や地質学に興味が出てきて、土地の成り立ちや、なぜこんな地形になったのか?をよく調べるようになりました。急峻な地形が多い日本で、なぜ上高地は平坦で広い河川が流れているのか?や、なぜ火山の近くには高原や台地状の地形が広がるのか?など、いろいろな場所を歩くたびに疑問は尽きません。

そんななかで、山陰海岸のユニークな地形に興味が湧きました。激しい日本海の波によって削られた岩が多くあり、日本列島がユーラシア大陸の一部だったときのゾウやサイの足跡が化石として残っている場所もあります。温泉や海の幸を楽しめる場所も多くあり、日本らしい地形を楽しむならここだと思って歩くことにしました。

山陰海岸ジオパークトレイルの詳細は以下の公式サイトに詳しく載っています。

ルートはここからダウンロードできます。一番下にある山陰海岸ジオパークトレイルマップは歩くときに非常に役立ちました。

https://sanin-geo.jp/play/download/

行動日程と荷物

持ち物 (約6kg~7kg):30Lザック、ロード用シューズ、紙地図、コンパス、シュラフ、テント、マット、エアー枕、ダウン、レインウェア、ストック1本、手ぬぐい2枚、折り畳み傘、テーピング、イヤホン、ヘッドライト、カメラ機材、バッテリー、二日分の衣類、JETBOIL、ウォーターボトル(580ml)、5日間の行動食、フリーズドライ食 (高カロリーのお菓子やアルファ米など)

トレイルの6〜7割ぐらいは舗装路を歩きます。よって、NIKEのロード用ランニングシューズを選んだのは大正解でした。ALTRAのローンピークで行くか悩みましたが、そちらだとクッション性が足りずに足が痛くなっていたと思います。里山に入ると足が滑るシーンもありましたが、歩行技術でなんとかなる範囲だと思います。

また自動販売機がトレイル上に多くあるので、ボトル一本以上の水分は持たずに歩きました。食料についてもザックに入れるだけ持っていきましたが、昼ごはんを地元の定食屋さんで食べたり、補給はいくらでもできるルートです。

海沿いや砂浜でのキャンプ地が多いので、雨風が強い日は対策が必要です。

6kmも続くロングビーチ (小天橋)

トレイルの全体像、注意点

コース1からコース27までセクションが設定されており、全長230kmです。獲得標高は約5000mほどのようです。自分は日程などの関係で、コース6からコース25までの約180kmを歩きました。スルーハイクする場合は、6泊、7泊ぐらいで踏破できる工程です。

夏季営業のみのキャンプ地もあるので事前に確認が必要です。加えて、温泉や食事処もいくつか調べておくと良いと思います。あとはなんといってもロード区間が多いです。事前にどこがロード区間か確認しておくとベストです。

0日目】 鳥取砂丘近くのゲストハウスに前泊

【1日目】 コース6 鳥取砂丘 ~ コース11 居組キャンプ場

距離約37km 行動時間 11時間~12時間

スタートは鳥取砂丘が良い!と思い、コース6の近くで前泊してスタート。朝日が照らされる砂丘を裸足で歩きました。コース8は千貫松島や鴨ヶ磯など、このトレイルのメインスポットを歩きます。ジオパークの看板やマップがけっこうあって、歩きやすかったです。

花崗岩が作り出す美しい景勝地 (鴨ヶ磯)

【2日目】コース12 居組 ~ コース19 弁天浜キャンプ場

距離約45km 行動時間 11時間

コース14は20km以上の峠越えがあり、コースタイムが7時間半もあるハードコース。そのルートは浜坂駅から余部駅まで電車を使ってショートカットしました。あまり歩かれていなさそうな里山を越えていきます。2両のローカルな電車が森を抜けて走っていたりするので、良い雰囲気です。

柱状節理によって作られた岩場が点在する

【3日目】コース20 弁天浜 ~ コース22 小天橋 (葛野キャンプ場)

距離約30km 行動時間 8時間

この日は少し短めの工程。6kmほど続くロングビーチを目指して歩きます。途中の田結湿原での峠越えは、トレースが全くない林の急登を登りなかなかスリリングでした。到着後は少し離れた久美浜温泉で一休み。歩くたびにいろんな砂浜が登場しますが、やはりゴミはいっぱい目に入っちゃいます。日本だけの問題ではないだろうからなんとも言えません。

【4日目】コース22 小天橋 ~ コース24 八丁坂海水浴場

距離約20km 行動時間 6時間

この日から天候が少し不安定になり、予定ルートを短縮して歩きました。正午には雨が降る予定だったのでそれまでに到着しようと早めの出発。またキャンプもできるか怪しかったので、良さげなゲストハウスに直接お伺いして泊まらせてもらいました。

【5日目】コース24 八丁坂 ~ コース25 立岩

距離約15km 行動時間 4時間

最終日、計画当初から注目していた立岩を目指します。水晶浜、琴引浜を抜けて最後まで海岸沿いを進みます。波に飲まれちゃうぐらい崖際に近づくことができるのでコース25は最高でした。そして圧巻の立岩を見ながらゴール。

北アルプスの穂高連峰と同じ原理で成り立っている

魅力的なルートの紹介

コース21 田結湿地
この湿地に進むルートは最も人の気配がなく、本当に自然と一体になっている感覚でよかったです。あまり見たことのない野鳥も見ることができましたし、森林がどこよりも綺麗で、雄大さを強く感じました。ロングトレイルならではの「有名じゃないけど良い場所」という感じでした。

森の緑が一番綺麗だった (田結湿地)

コース23 五色浜

夕日ヶ浦から山道を進むと現れる五色浜。削れた岩が続く波打ち際にかなり近づくことができて、小惑星に降り立ったような気分でした。永遠と続く日本海を見ながら、ユーラシア大陸からこの長い距離を日本列島は移動してきたのかと思うと、興味深いものがあります。

惑星に降り立ったかのような感覚 (五色浜)

以上が、わたしが4泊5日で山陰海岸ジオパークトレイルを歩いた記録です。途中から水ぶくれができたり、名もなき里山で足を滑らせ滑落しそうになったりしましたが、自分のコンディションを考えながらルートを選択しただ歩く、という行為は本当に楽しいものでした。

地形や地質に興味がある、海岸沿いを歩きたい、海の幸を堪能したい人にはぜひおすすめしたいトレイルです。ほかのRaichoメンバーもロングトレイル経験豊富ですので、宿にお越しいただいた際は、ぜひ乗鞍以外のエリアについてもお声がけください!

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