初めての海外トレイル 〜アンナプルナサーキット(ACT)〜
初めまして。
去年の9月からゲストハウス雷鳥で働かせて頂いてる内山雄斗と申します。皆んなからは、うっちーと呼ばれてます。
雷鳥に来てからの数ヶ月は、乗鞍の大自然の中をトレイルランしたり、北アルプスのパノラマ銀座や奥穂・北穂間を縦走したりと、とても濃い時間を過ごさせて頂いています。(この数ヶ月間人生で1番歩いてる) その中で、自然の中を歩く時間がとても好きなことを改めて認識しました。自然の中を歩くと、木や土の香り、川や滝の音、ふかふかな土の上を足の裏で感じたりと一歩一歩が違って、自然って凄いってなります。また、長い距離を歩くなかでノイズレスな環境により、自分と向き合えたり、偉大な自然を感じ、感謝の気持ちが湧いてきたりします。これらを味わうことができるから、自然の中を歩くことが僕は大好きで大切な時間です。
今回は雷鳥の長期休暇を使い、歩きに行ったアンナプルナサーキット(ACT)について書かせて頂きたいと思います。興味とお時間のある方は見ていただけたらなと思います。
何故僕がアンナプルナサーキットを歩こうと思ったのか
長期休みにどこを歩き行こうかと考えていた時、学生時代に東南アジアは結構回ったから、オーストラリアやニュージーランドに行ってみたいなとぼんやり思ってました。しかし、迷っている事を藤江さん(オーナー)に相談すると、「アンナプルナ歩きに行きなよ」(たぶん直感)と過去に藤江さんが歩いた時に撮った写真を見せてもらい、ヒマラヤ山脈の圧倒的な山々の絶景を目に、アンナプルナ(以下ACTに省略)に行くことを決めました。ACTは基本的に町から町を歩いていくトレッキングコースで、シェルパ族やグルン族といった民族の生活やヒンドゥー教やチベット仏教の交わりを目にすることができると知り、とても面白そうだなとも思いました。また、ロングトレイルをガイドやポーターをつけずに自分1人で歩く中で、自分自身で選択していく感覚を磨きたいという想いもありました。
アンナプルナサーキットの工程と詳細
歩いた期間:12日間(ACT)
移動距離:約178.8km
持ち物:ザック(48ℓ)、ルナサン、ランニングシューズ、シュラフ、行動食(ドライマンゴー、バナナチップス、柿の種)、インスタント味噌汁、2日間ぐらいの衣服、ナルゲンボトル(1ℓ)、保温ボトル(500ml)、ソーヤミニ、アクアタブレット、ゾロマライド、コップ、歯ブラシ、モバイルバッテリー×2、コンセント変換機、アンナプルナサーキットの紙地図、TIMS、ACAP(パーミット)
(1〜3day)カトマンズ バス/6〜7時間
首都カトマンズに成田からインドの経由のフライトで到着。その日にトレッキングをするために必要なパーミットであるTIMSとACAPと取得した。(カトマンズかポカラで取れる)本当は次の日から、トレッキングのスタート地点になる、ベジサハールに向かおうと思っていたが、翌日にネパールで選挙が行われるため、交通機関が止まってしまうことを着いてから知り、1日多くカトマンズに滞在。カトマンズから、ベジサハールにはバスで6〜7時間程揺られて到着。(結構揺れたり砂埃がすごい)
(4day) ベジサハール ジープ/3時間
ベジサハールは、トレッキングのスタート地点。こっから歩き始めることもできるが、今回は2週間の制限があったこともあり、ジープでジャガットまで目指すことに。約3時間でジャガットに到着。ついた時は既に17時を回り真っ暗だった。(ACTは、昔と比べ道路の補装が進みジープを使って、時間を短縮し進むこともできる)
(5day)ジャガット→シャメ 33.2km/8時間
ジャガットは宿も結構あり、泊まることに困ることは無さそう。僕はこっから歩き始めた。次のシャメまでは、谷の道をずっと歩いていくイメージ。途中でマナスルを見ることができ最高であった。約8時間足を伸ばして歩いたが、中間地点のダラパニで滞在される方も多くおられた。
(6day)シャメ→マナン 29.4km/8時間
シャメには温泉があり、ヨーロッパ系の人はみんな入りに行ってた。僕は今回夕方に着いたので、入っても寒そうだなと思い断念。代わりにパン屋でコーヒとアップルパイ食べた。マナンまでの道は、後半標高が3,500mを超えるが、周りにそびえ立つ山々と川が流れ、木も自分の身長より高く生えているので、森林限界とは、、となった。またそんな景色に常に圧倒されている感じ。
(7day)マナン→チリチョレイクBC 14.2km/4時間半
マナンは、ネパールでも少ないチベット仏教の方が多く住んでいる町。朝には日の出と共にお経のような音楽なり始めて起きた。窓の外を見ると、太陽に照らされた町がとても綺麗で幻想的であった。ここから、標高が3,500mを超えてくるので、順応期間として2泊マナンに滞在される方が多くおられる。僕は身体に問題なさそうだったので、次のチリチョレイクBCを目指した。途中で休憩をとったアッパーピサンという町は標高4,000mもあり、宿からの景色もとても良さそうであった。後半にかけてのトレイルは、トラバースが多くありヒマラヤ山脈の奥へ奥へ進んでいく感覚がたまらなかった。
(8day)チリチョレイクBC→チリチョレイク→ヤクルカ 25.5km/8時間半
チリチョレイクBCは、町というよりただ宿が何個かある感じ。4,000mの地点でありながらも、山に囲まれた雰囲気は最高であった。今回藤江さんにおすすめされていたのもあり、早朝から行きたかったチリチョレイクにアタック。世界で最も高い標高にあるチリチョレイクは本当に行って良かった。静寂な湖がとても美しく、そこだけ昔から時間が止まっているような空間であった。そこから、BCに折り返しヤクルカに向かった。ここのトレイルが1番UPダウンが多く、途中休憩を何度かとりながら歩いたが、途中マナンを一望できるポイントや全然飽きないトレイルだった。
(9day)ヤクルカ→トロンパスハイキャンプ 7.8km/3時間半
ヤクルカは、名前にもついている通り途中の道の斜面で多くのヤクを見かけた。僕はこの日に、トロンパスハイキャンプまで行ったが、結構な登りが最後にあるためその一つ前のポイントで滞在する人もおられた。でも個人的な意見では、トロンパスハイキャンプに行った方が、翌日のトロンパス越えのためには良いかなと思った。トロンパスハイキャンプには、お昼前に着いたのでのんびりと絶景ポイントで贅沢な昼寝をした。
(10day)トロンパスハイキャンプ→トロンパス→ムクチナート 13.3km/7時間半
早朝からトロンパスにアタック。流石に5,000mを超えてくる登りはすぐに息があがった。ただ、登っている途中後ろから上がってくる太陽の光がとても美しく、心を動かされた。トロンパスのピークには山小屋があり、そこで飲むミクルティーは身体にめっちゃ染みた。トロンパスから、ムクチナートはずっと下りで、僕がシーズン終盤に行ったこともあり、地面が凍っているところも多々あった。もし11月後半に行かれる場合、軽アイゼンがあった方が安全だと思う。ムクチナートについた夜は、同じ日にトロンパスを超えてきたメンバー達と乾杯したのもいい思い出。
(11day)ムクチナート→ジョムソン(27日)16.9km/4時間半
ムクチナートは、ヒンドゥー教とチベット仏教が交わっている町で、ヒンドゥー教の有名な寺院もあった。ジョムソンに向かう道は、昔チベットとの交易路に使われており、ジョムソン街道という有名な道。今はだいぶ舗装され車の交通量が多くなっていた。僕はループラという町を通っていくルートを選択したが、途中崖崩れが起きて道が塞がれている箇所があり、トレッキングコースではない川沿いを歩いたりもした。ここのトレイルには、アンモナイトの化石がいっぱい落ちており、拾うのに夢中になっているトレッカーが結構いた。(ハイライトであるトロンパスを超えると、ジープを使ってポカラまで行く人が多くいた)
(12day)ジョムソン→タトパニ バス/3時間半
ジョムソンには空港もあり、交通のハブになっているような場所で少し都会感を感じられるような町並み。調べていたツアープランとかだと、ジョムソンから飛行機でポカラに向かうものも多くあった。ダトパニは、休息も兼ねてバスで3時間半かけて移動した。
(13day)タトパニ→ゴレパニ 15km/5時間
タトパニは、標高が1,000mくらいであることもあり人や町並みに穏やかさを感じられた。僕はここで温泉に入ることを楽しみにしていたので、温泉すぐ上のホテルに滞在した。温泉は38℃くらいで、ずっと入っていられる温度。もう1日滞在したいくらいリラックスできた町であった。ゴレパニへの道は、ずっと登りであるが、標高が日本の山と同じくらいだからか風景が似ていた。振り返るとダウラギリがそびえ立っているのも最高であった。
(14day)ゴレパニ→プーンヒル→ナヤプル22.9km/7時間半
プーンヒルからの日の出を見るため、荷物は宿に置いたまま早朝に出発。プーンヒルからは、ダウラギリやアンナプルナサウスを見ることができ、赤く染まるヒマラヤ山脈を贅沢に見ていた。ナヤプルまではずっと下りであった。今までとはトレイルが違い、ちゃんと石段が積まれている道であった。この日はトレッキング最終日であったため、今までの過程を振り返りながら、一歩一歩味わいながら歩いていた。
(14day)ナヤプル→ポカラ バス/2時間
ナヤプルは、カトマンズと変わらない町並みになる。そこから、バスに乗りポカラへ移動。途中タクシーなどの客引きが多い箇所であるが、バスの方が断然お得。
以上が僕が歩いた、アンナプルナサーキットの工程と詳細です。他にもカグベニやマルファといった魅力的な町が多くあります。僕は約2週間という期間でありましたが、アンナプルナサーキットを存分に満喫するなら、3週間はあった方がいいなと思いました。
アンナプルナサーキットを歩く中で、初めて見るヒマラヤ山脈の絶景。未知の4,000m以上の世界。歩く中で出会う人々。色んなものに心動かされながら歩いていました。人の暖かさや、自然の壮大さに生きてる実感を心から感じたり、時には低度の高山病になりながら歩くのがキツかったり、海外の人とカタコトの英語で上手く会話が弾まず悔しい思いもしたりしました。でもこうして、長い時間をかけ自然と向き合う時間は、自分にとっては人生を豊かにしてくれる時間であります。自然と触れ合う中で、想いを馳せるという大事さをより実感することができました。それは、人間、動物、物、事、全てに対して。その大切さを伝えられる人間になりたいとかんじました。全てはその手段であると。
今回の旅で感じたことや大変だった出来事は、他にも山ほどあったので、もし気になる方がおられればゲストハウス雷鳥でゆっくり話しましょう‼︎ 雷鳥には他にも自然と素敵な関わり方をしているメンバーがたくさんいるので、是非遊びに来てください‼
文章:内山雄斗
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